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レトロな街に新たな息吹 名古屋の長者町におしゃれな店次々
名古屋の中心街、栄と伏見の間に、レトロなアーケードが目を引く一角があります。その名は「長者町繊維街」。東京・日本橋、大阪・船場と並ぶ「日本三大繊維問屋街」の一つですが、近年、ファッションと情報技術(IT)による街づくりに取り組んでいる。
1本298円のネクタイ、650円のシャツなど、お値打ち品をずらりと並べた洋品店に呉服屋、「小売り致します」と入り口に張り紙をした卸問屋。一目で繊維問屋街と分かりますが、ビルの間を縫うようにして立つ今風のしゃれたバーやレストランが、この街に吹き始めた新たな風を伝えているようです。
地下がカフェで1、2階がインテリアショップになっている「ゑびすビル2」
象徴的な存在が「ゑびすビル」でしょう。繊維不況で活気を失い、年々空きビルが目立ち始めたため、名古屋長者町織物協同組合(山口兼市理事長)の有志10人が30万円ずつ出しあって、4年前「街づくりカンパニー」を組織しました。空きビルを借りて改修し、カフェや家具・インテリアショップ、ギャラリーなどを誘致したのです。
最初の年に「ゑびすビル1」、七福神の「ゑびす」の名にちなみ、「7棟まで増やしていければ」というのが同組合の考えです。
先月末、「ゑびすビル3」に新顔として加わったのが「アートステージ・セレンディピティ」です。代表の緒方隆文さん(47)は愛知県立芸大出身。愛・地球博(愛知万博)の市民プロジェクトや森の自然学校などにかかわったイベントプロデューサーですが、「心からいいなあと思える作品に出会ったり、立ち止まって静かに自分を見つめたり。来て下さった方に何か発見していただける場を」と開店に踏み切りました。多彩な人脈を生かして世界各地のアートや雑貨を紹介し、近いうちにコンサートも行いたいと張り切っています。
アートで相乗効果
最盛期の昭和40年代(1965〜74年)に96店舗あった店が、いまや40店前後に減っています。商店主らが危機感を持って街の再生に取り組むようになったのは、6年前の「長者町50年祭」からだそうです。
2日間に6万人が訪れたにぎわいを一過性に終わらせたくない、と老舗問屋「堀田商事」の4代目、堀田勝彦さん(39)ら街の若手が中心となり、「地縁だけにこだわらない街づくり」を模索してきました。
その成果がファッションを軸に据えた「ゑびすビル」であり、芸術家の卵たちにシャッターに絵を描いてもらうシャッターアートでした。しゃれた飲食店の進出などの相乗効果も出ています。
「皆で力を合わせ、共同体機能を持った街づくりをしていきたい」。堀田さんらの試行錯誤は、地盤沈下に悩む各地の商店街にも参考になりそうです。
(2006年4月9日 読売新聞)
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